吹奏楽情報サイト ブラスフリーク

吹奏楽の情報サイトにして行こうと。自分は愛知県の人間なので、とりあえず東海地区中心にコンクールの情報、吹奏楽曲のお話、中高生の部活の進め方、指導者様や部長、副部長が感じるであろう部活の問題の解決など、様々な視点から吹奏楽を語ってまいります。

銅賞から銀賞へ 基礎合奏の必要性と組織としての基礎合奏の進め方①

銅賞から銀賞へ 基礎合奏の必要性と組織としての基礎合奏の進め方

 

基礎合奏とは

基礎合奏は、合奏の中で基礎練習をする、もしくは合奏の基礎を学ぶと言う捉え方が出来ます。音程や音色、和音などを曲以外の合奏で合わせていくというもの。

しかしここで言う基礎合奏は少し意味合いが違います。

ここで言う基礎合奏は

強制的に基礎練習をさせる

というニュアンスのもの。

 

吹奏楽部として結果が出てない部にとって基礎合奏は必須の練習です。 

何故それが必要かと言うと、今の部活の現状を見渡してみてください。

例えば基礎練習ひとつ取ってみても、ロングトーンタンギング、音階練習、金管ならリップスラー木管なら速めの音階練習、アルペジオなど様々やる事はあります。

 

どうですか?部員たちはみんな真面目にその練習をしてますか?

 

そんなわけないですよね。

基礎練習はみんな好きじゃない。出来ればあんなしんどいことやらずに上手くなりたい。しかし避けては通れないもの。運動部で言う走り込みみたいなもんなのでね。

しかしやっぱりしんどいからサボりたくなる。

それは普通の感覚。

それが目標高く頑張ってて上手くならないとコンクールのメンバーから外れると言う恐怖感を持たないといけない部ならそれでもやる。

 

しかしそうでない部は真面目にはやらないのが普通。やってるように見えてても何の為にこの練習をしてるのかさえ理解してないのが実情です。

 

本来練習は個人が責任を持ってやるもの。

しかし上に書いたように結果も出てなければ目標も定かでない部活の部員にそれを求めても仕方ない。

指導者側からすると

まったくうちの生徒は!!

となると思いますが、「うちの生徒」だけじゃありません。どこでも同じです。地区大会で金賞を取ってるぐらいの学校の部員でも時期によってはそのぐらいの感覚でいるのが普通です。

 

よく基礎合奏なんて効率が悪いと言う人がいます。確かに合奏でやっても自分の音が聴こえにくいので効率が悪いかもしれません。しかしそれはレベルの高い部に言える事。

そうでない部にとってはまずサボっている生徒に練習をさせる事。さらに基礎練習を無理やりにでもやらせる。合奏として全員で取り組む事でやらざらるを得ない状況を作る事が大事なんです。

 

何も考えずにダラダラ楽器くわえてるだけなら効率が悪くてもやらせた方がまし。

 

そう言うことです。

 

基礎合奏の進め方

基礎合奏は毎日やります。

まず部活に来たら各自ウォーミングアップ。

10分後とかにすぐ始められれば良いのですが、学校の事情が様々あると思います。基礎合奏の開始はほとんどの生徒が揃う時間に設定します。練習時間の少ない中なのでよく考えて開始時間を決めて下さい。

とは言え練習開始時間すぐだと様々学校の用事で来てない生徒もいますね。

基礎合奏が始まる時に部員が半分もいないような状況は良くありません。生徒の中に「途中から行けば良い」と言う気持ちが出るからです。なのでしっかり時間を決めて生徒が揃ってから始めるようにしましょう。

 

指導する側の生徒を育てる

必ず指揮者の位置に生徒を一人立たせます。

これは絶対です。

前に立って何をするかと言うと、

 

①練習の進行

文字通り練習の進行です。

ロングトーンをやります。B♭dur、8拍伸ばして2拍休み。

とか言う指示を出します。

進行をする生徒がいないと「次なに?どーする」と言う感じでダレた雰囲気になりますし、時間も無駄になります。

進行するだけでも結構大変ですが、練習内容は毎日同じです。音階の調が変わったりするだけなのでこれはすぐ慣れると思います。

 

②注意、指導

生徒にそんな事出来ませんとおっしゃるかもしれませんが、それを出来る生徒を育てないと絶対に部活の実力は向上しません。

簡単な指導だけで良いので、各練習項目が終わる度に何か注意して、そこをもう一度やらせる事が出来れば良いと思います。

そうする事で意識して練習に取り組むようになります。

 

③サボってる人間の発見

これは前に人が居るのと居ないのでは大違いなんです。前に人が居ないとサボり放題です。横に居る生徒同士は間違いなくサボってても注意しません。前に人を立たせる事で見られてる感覚になるので容易にサボる事は出来なくなります。

 

先生が立つのも時々は必要ですが、これは基本的には生徒が立つべきものです。生徒だけでしっかり質の高い練習を出来るようにならないと上手くはなれないのでね。

なかなか最初は難しいと思います。

一番最初は先生が前に立って基礎合奏の指導をします。その時に部長、副部長には「来週からは貴方たちがやる」と言う事を伝えておきます。そうする事で彼らは他の人の音を聴こうとしますし、それまで指導されるだけだったものが指導の仕方を見るようになります。最初は部長と副部長が交代でやる感じで良いと思いますが、いずれはパートリーダーなり下の学年の生徒にもやらせられれば良いですね。

 

生徒たちだけでやるようになって数日は先生は後ろで見てないといけません。

しかし絶対練習中に口を挟んではいけません。前に立つ生徒に依存心が出ます。さらに先生が口を挟む事で前に立つ生徒以外が彼らの言う事を聞かなくなります。

前に立つ生徒に練習の進め方などの指導をする場合、練習が終わってから個人的にしなければなりません。なんせ彼らを指導者にしないといけないわけですから、一般の生徒にもそう認識させないといけません。

他の生徒の前で彼らを指導したり注意したり、彼らを飛び越して他の生徒を指導したりは絶対にしてはいけません。

彼らの立場を作る為には絶対です。

唯一口を挟んで良いのは前に立つ生徒の言う事を他の生徒が聞かない時だけです。

 

生徒たちだけで練習を進められるようになるには時間がかかります。前に立つ生徒の成長を待たなくてはいけません。そして生徒同士の事なので前に立つ生徒が孤立しかねません。どこまで行っても先生のバックアップは必要です。

生徒たちだけでしっかり練習を進められるようにしっかりフォローしてあげましょう。

 

次回は実践編です。