吹奏楽情報サイト ブラスフリーク

吹奏楽の情報サイトにして行こうと。自分は愛知県の人間なので、とりあえず東海地区中心にコンクールの情報、吹奏楽曲のお話、中高生の部活の進め方、指導者様や部長、副部長が感じるであろう部活の問題の解決など、様々な視点から吹奏楽を語ってまいります。

録音された演奏というもの

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録音された演奏というもの

 

ホールで聴く演奏と録音は全く別物

おそらく皆さん自分たちの演奏を録音したものっていうのは聴いたことがあると思うのですが、他の人たちの演奏を聴いてその演奏をもう一回録音で聴き直したことがある人って少ないと思うんですよね。

これはやったことがある人がいればホールで聴く演奏と録音の演奏とは全く違うものだというのは多分お分かりいただけるかなと。

本番ホールの中で聴く演奏っていうのは、どちらかと言うとおおまかな響きとかそのダイナミクスとか表現力というのは結構聴いてて様々感じる事が出来る。

細かい動きについては録音ほど明確になってない場合が多い。

 

マイクの位置

同じ録音されたものでも録音の仕方によって全く違う音が録れる。

マイクの位置っていうのが挙げられる。

これ自分の先輩で録音に詳しい人がいて様々聞いたことがありますが、ホールのマイクをそのまま使用している場合、舞台から客席に入ったらすぐぐらいのところに天井にマイクがあってそのマイクを使用している場合、ベルが上を向いているチューバとかユーフォとかはかなり拾う。あとはベルが前向いて高いとこにいる楽器トランペットとかトロンボーンとかその辺の楽器は音を直に拾ってる場合があるわけですね。

 

ユーフォの独壇場

自分が中学生の頃、課題曲の中にシンフォニエッタと言う曲があって、その曲の後半でユーフォがものすごく活躍する場面があったんですね。

www.youtube.com

ユーフォの独壇場は3:00あたり。

 

とは言え、楽譜上ユーフォが目立たないといけないのは再現部前のクライマックスだけなのですが、東京佼成ウインドオーケストラが演奏する参考演奏は後半はもうユーフォが主役みたいになってたんです。

ユーフォが鳴らないとおかしいみたいな感じの音楽に参考演奏がしてしまっていたので、みんなそれを目指してユーフォ鳴らせ鳴らせと言うふうに指揮者が言うわけです。

東京佼成ウインドオーケストラの当時の録音って、各パートごとにマイクを立てて、それを元にバランスや響きなんかを調整していて、後になって聴くと後半のユーフォは明らかに「盛ってる」状態(;^_^A

音量上げてめちゃくちゃエコーかけて。

このユーフォは三浦徹さんという当時日本のユーフォニウム界を牛耳っていたトップ奏者。

とは言え、これはやりすぎ(;^_^A

一人で吹いてこのバランスはあり得んし。

しかし当時中学生の自分含め、多くの吹奏楽関係者は「このユーフォカッコいい」と思ったはず。

普通のバンドの中にユーフォニウムと言うのはだいたい2人ぐらい

参考演奏のバランスで演奏しようと思ったらおそらく4~5人いてその4~5人がぴったり合わせて吹かないとおそらくあのバランスにはならない。

でも録音なんだと言う意識がないとあれが正しいんだと思ってしまってそこを目指しておかしなことになる。

 

録音を信じ切ってしまわないように

録音された演奏っていうのはあくまで録音だとふうに思って聴かないとその演奏真似しようとしてしまったら自分たちの演奏を崩してしまいかねない。

客観的に聴いてる指導者がある程度置き換えて判断しないといけないですね。

生徒たちが自分たち聴いて反省点を出すのは良いと思いますが、ただ全体の響きとか聴こえ方っていうのはまず間違いなく録音のままにはなってない。細かいニュアンスや縦横の精度に関しては判別出来る。

しかしそれが自分達の音だと思い込んでしまわない事かと思います。

が、それしか自分たちの音を聴く術はないから仕方ないんだけどね(;^_^A