吹奏楽部 9月の予定 新体制への移行
さて、全国大会に出場するような学校以外の吹奏楽部では既に三年生が引退し、今はつかの間の夏休みかな。9月になると今まで引っ張ってくれてた先輩たちがいない。自分たちで部活を運営していかなければなりません。様々プレッシャーもあると思いますが、そんなことは言ってられません。仲間としっかり話し合って頑張りましょう。
新体制への移行
全国大会に出場するような学校以外の吹奏楽部の1年は9月から始まります。
部長副部長、パートリーダー等の幹部の交代、新体制への移行をします。
役職に指名された生徒としては様々プレッシャーやストレスはあると思いますが、はじめからちゃんと出来る中高生なんてのはいるわけがない。指導者もそれをしっかり認識して、来年の4月までを目標に、しっかりその立場の人間として能力を発揮できるように、時間をかけて成長していかなければなりません。
学生指揮者
学生指揮者と言うと、先生に変わって指揮をする。となんかたいそうな役目に感じますが、それはまだまだ先の事。
今ここで言う学生指揮というのは全体練習の時に前に立って指示、管理をする立場。
下の記事の中にだいたいの事は書いてますが、基礎合奏等、音を合わせる為の全体練習で指揮を執る立場です。
nagoyaclassical.hatenadiary.com
うちの学校にはそんなこと出来る生徒はいません。とよく指導者の方は仰いますが、さっきも言いましたが、どんな立場でも最初から出来る人間なんていません。時間をかけてある程度出来るようになってもらわないと困るんです。
最初は前に立ってマゴマゴするだけだと思いますが、あくまで練習の進行役、さぼってる生徒を見つける、合ってない音を探して合わせる役目。慣れてくればそれなりに出来るようになります。指揮なんてしなくて良いんです。メトロノームをかけて、生徒たちを見ながら音を聴く。音階とか和音とか、ひとつ練習が終わって何もなければ次に行く。何かあればもう一回。それだけです。
生徒がお喋りをしたり、学生指揮者のいう事を聞かない時は先生や部長副部長らがしっかり注意する。
学生指揮者が音楽の事、合奏の事に集中できるように、さらに前に立つと言う事で敵を作りかねません。先生や幹部等、周りがしっかりフォローしなければなりません。なんせ
先生がいない状態でどれだけまともな練習が出来るか
が、吹奏楽部のレベルアップのカギになります。
コンクール前のテンション
この時期で一番難しいのは、コンクールで上がったテンションを維持すること。
大会が近づくとどんな部活でも目標が目の前に出てきてそれまでやる気のなかった部員たちも含めて部活自体のテンションが上がります。
しかし9月になると目標がなくなり一気にテンションが下がります。練習がおろそかになったり、部活を休みがちになってしまったり、テンションが下がったところにプライベートで何かあると部活を辞めてしまったり、という事が起きやすいのもこの時期です。
レベルの高い部活は目標も当然高いのでコンクールが終わった時点から来年に向けて意識高く動き出しています。
この時期は文化祭の準備ぐらいで演奏の本番がないのが困りますよね。
アンサンブルコンテストへの取り組み
意識が高くない学校で驚くのが、コンクールやアンサンブルコンテストへの取り組みが遅いこと。
そもそもコンクールやアンサンブルコンテストに出るか出ないかでもめたりするし、指導者もコンクールやコンテストに出ないという選択肢があると思ってたりする。
生徒たちに任せていると、出る出ないの決断が直前になるのは「当たり前」で、なんだかんだ理由をつけたり、特に何も考えてなかったりでコンクールを意識しない時期が長く続き、何もしないまま4月とかになって新入生が入ってきて、人数が揃ってやっとコンクールを意識しだし、しかし時すでに遅し。そんな学校が多々あります。
普通がどこにあるかはなかなか難しい問題ですが、自分の感覚では、アンサンブルコンテストへの取り組みは9月からするのが当たり前。早いところだと8月でも全然やってる学校はあるし、何だったら年間通じてアンサンブルをやってってる学校もある。
目標を近くに置くためにも、アンサンブルコンテストへの取り組みをすることでテンションを保つ、そしてその取り組みで生徒自身に今の問題を自覚させるためにも、この時期からアンサンブルコンテストへの取り組みを開始することをおススメします。
遠い目標を近くに感じさせる工夫
さっきも言いましたが、コンクール前というのは目標が近くなり、普段やる気のない生徒も含め部活自体のテンションが嫌でも上がる。しかしコンクールが終わってしばらく時間が経ったこの時期はテンションが下がりまくる時期。
大人なら最終的な目標から逆算して今何をやるべきかを考えてとりあえずでもそこに向かって動き出す事は自分たちで出来るもんですが、中高生というのはそうはいきません。
すべてにおいて「まぁいいか」と妥協しがちなのがこの年代です。
自分はこの感じはあまりおススメはしてませんが、早いところでは9月に既に来年の吹奏楽コンクールの曲の候補が決まっていて、この時期からその曲の合奏をやっていく学校もあります。
かと言ってその曲をすぐ仕上げるかと言ったらそういうわけではなく、その曲を使って課題をクリアする。そんな感じです。
文化祭の曲しか練習しないと何か月も打楽器はドラムしかやったことがないとか、チューバなんかはリズムしか吹かないわけで「つまんねー」となってしまったり。
ポップスしかやらないと人数が少なくてもなんとかなるので人集めをしないといけないという意識を持たなかったり。
その曲自体をコンクールに使うか使わないかは別として、コンクールを意識させる曲を何曲か課題として与える事で目標に向かって何をしないといけないかが生徒たち自身に見えてくるもんです。
個人練習の廃止
廃止と言うと言葉が強いですが、上手くいってない吹奏楽部というのは何をやってるかよくわからない状態で部活が進んでいく。
なんか楽譜だけ配られて練習してる感じだけどいざ合奏となったら吹けてるのは一部の生徒だけ。多くの生徒はほぼ譜読みも出来てない状態。という状況が良くあります。
個人練習というのはある程度吹ける人間が練習の仕方もわかった状態でやって初めて成立する。練習の仕方も良くわからない、そんなにやる気もない、という生徒に個人練習の時間を与えてもなかなか吹けるようにはならない。
だとしたら、最低練習単位をパートにして、一人しかいないパートはどこかのパートと一緒に。パートリーダーが前に立って練習をする。
個人練習については、パートもしくは合奏でやって出来なかった箇所を練習するだけにする。
とりあえずは
ですけどね。
最終的には基礎練習、教則本、曲の練習を個人でしっかりやるようになってもらわないと困すのですが、とりあえずある程度吹けるようになるまで、それなりに練習の仕方が身につくまでは、個人練習が一番効率の悪い練習になってしまうので、なるべくは大きな単位で練習を行いましょう。
部長の憂鬱
さて、自分は高校時代部長をやってました。
部長になった瞬間というのは何か色々やらないとと思い過ぎて空回りしがち。
部長になるような人間というのはコンクールとか関係なしにある程度のテンションを保ってるから色々やろうとするんだけど、周りの生徒にとっては逆にやることなくてヒマ、コンクールが終わってテンションダダ下がりの時期。当然そこに温度差は出る。
自分は空回りしてた人間(;^_^A
なんかやればどっかから文句が聞こえてくる
憂鬱よなー
よく周りを見渡してみよう。
責任を押し付けられたくなくて能力を隠してるやつがいっぱいいる。
いやホンマに。
例えば、吹奏楽好きで吹奏楽の曲とか結構知ってるやつがいる。そういうやつって好きなだけでちょっとオタク気味とかそんなんが多い。文化祭とかそれ以外でも、幹部が曲を決めたらなまじ色々知ってるもんだから聞こえんところで「何でこんな曲」と文句言ってたりする。
そう言うやつがいたら、仲間に引き入れて責任を負わせればよい。
全面的に任せるわけではないが、曲決めの主体をそいつにする。もちろん部長は管理者として、オタクの意見と一般の意見を公平に見て最終的な決定はしないといけないが、曲決めの主体をそいつにすることで自分は随分楽になる。
何が言いたいかと言うと、
人に任せて自分は管理者になる
という事。
自分でやった方が早いと思うことなかれ、なかなか難しいんだけどね、自分でやれることを人に任せるというのは。
しかし人に任せて自分が管理者になることで、自分は部活全体を見渡す余裕が出来るし、いろんなことを同時進行出来る。
さらには責任者が何人もいれば部活の運営がしやすくもなる。
任せた生徒がちゃんとやってなければ「どうなってる?」と声を掛け、今の状況を聞き、自分が手伝えることは手伝い、叱咤激励してちゃんとした方向に導かなければならない。これはなかなか難しい。しかしそれが管理者の仕事。先生と相談してしっかり管理しないといけない。
なんせ、幹部だけで物事を動かそうとすると責任のない生徒たちが様々文句を言い、敵に回る可能性がある。多くの生徒に任せすぎると収集がつかなくなるが、抑え処の生徒を数人選び、上手く巻き込んでいきましょう。
責任を与える事で能力を発揮する人間は多いです。
なんせ独りで抱え込まない事
仲間と一緒に部活を作る。
部長は
大変だからね
頑張ってこー!!